国際社会のルールを軽視し
軍艦島の世界遺産登録取り消しを求める韓国
6月22日、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局長宛に書簡を送付した。その中で韓国政府は、長崎県にある軍艦島をはじめとする世界文化遺産(明治日本の産業革命遺産)の登録取り消しの検討を求めた。世界遺産への登録は国際社会の決定だ。自国の事情だけで、その取り消しを求める韓国は国際社会のルールを軽視しているとしか思えない。
今回の韓国政府の主張の背景には、北朝鮮政策が思うように進まず、立場がなくなりつつあるという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の厳しい情勢が影響していると見られる。反日と南北統一を政策の二枚看板としてきた文大統領としては、北朝鮮の共同事務所爆破によって政策の限界を露呈したといってよいだろう。政策が期待したように進まないと、“駄々っ子”ぶりを発揮する韓国は分かりやすい。
今後、文政権の反日姿勢は一段と強まる可能性がある。
わが国としては、文政権とまともな対話を期待することは難しい。韓国からの一方的な批判は、これからも丁寧に無視するしかない。それよりも、わが国は国際世論を味方につけ、極東情勢の安定を自力で目指すことにエネルギーを注ぐべきだ。