日本が8億ドル(約900億円)を出資したミャンマー南東部にある「ダウェー経済特区」。人口30万人の巨大工業都市を造るという壮大な計画だが、事業開始から12年がたった今も、開発は一向に進んでいない。赤土の荒野が広がる現地を取材した。(バンコク在住ジャーナリスト 小堀晋一)
民間開発が行き詰まり
国家プロジェクトに
日本から遠く6000キロ。民主化が始まったばかりの東南アジア・ミャンマーで、日本も参加しての経済特区開発が行われていることをご存じだろうか。
南東部のタニンダーリ管区に計画された「ダウェー経済特区」。ここに人口30万人の巨大工業都市を造ろうという計画で、これまでタイ企業やタイ政府が投資を行ってきたが一向に進展しなかった。
2016年には日本が8億ドルを投資して3カ国の共同開発となったものの、それでも工事は進まず、とうとう新型コロナウイルスの感染拡大で事実上の棚上げ状態に。最後の頼みの綱としていた中国も国内事情を優先し始めた。