しかし、同じ資料によれば、日本の陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量は、2010年の推計で年2万~6万トンと、もっとも多い中国の年132万~353万トンと比べると、大幅に少ない。それでも出ていると言えば出ていることになるのだろうが、一般社団法人プラスチック循環利用協会による『プラスチックとリサイクル8つの「?」』によれば、廃プラスチックの総排出量に占める有効利用量(リサイクルに焼却灰の再資源化などを含む)の占める割合は、2018年の実績で84%と高い水準となっている。

 プラスチックのリサイクル方法には、(1)マテリアルリサイクル(リサイクルしてプラスチック製品化)、(2)ケミカルリサイクル(化学原料に再生)、および(3)サーマルリサイクル(燃料化など)があり、2018年の実績で、一般系廃プラスチックでは、(3)が59%、(1)が17%、(2)が6%となっており、単純焼却は12%、埋め立ては6%となっている。つまりは「燃料化して燃やすことが多い」ということだ。

 これについて「リサイクルとは名ばかりで燃やしているだけではないか」といった批判があるようだ。

 もっとも、ただ燃やしているのではなく、貴重なエネルギー源として使用しているのであれば、それも立派なリサイクルであるし、実際リサイクルの方向性として液化、燃料化というのは元々あり得たわけであり、「燃やす」という一点のみをもってそのリサイクル性を否定するのは、乱暴であり、批判のための批判としか言いようがないだろう。

 従って、日本はプラスチックごみが、多くはないとはいえ海洋に流出してしまってはいるが、リサイクルなどの有効利用は高度に行われているといえる状況であり、プラスチック製のレジ袋を有料化してごみの大幅な減量などを図らなければならない状況にあるとは言い難いのではないか。

日本が率先して
レジ袋を有料化する違和感

 そもそもプラスチックごみの海洋流出は「プラスチック製品を使うかどうか」という問題ではなく、ごみになったプラスチック製品を「ごみとして、廃棄物として適正かつ効率的に処理する仕組みが整備され、機能しているのか」ということに関する問題である。

 平たく言えば、「十分な規模のごみ処理場が整備され、滞りなく稼働し、分別なども含めたごみ収集制度が完備され、国民もそれを理解し、それを守っているかどうか」という話。別の言い方をすれば、「廃棄物処理行政がしっかりと機能しているのか」という話である。

 つまり、プラスチックごみを大量に海洋に流出させてしまっている国というのは、それができていない可能性が高いということだ。

 本来進めるべきはそうした国々がしっかりとした廃棄物処理の仕組みを導入するよう促し、それを支援することのはずである(政府の「インフラシステム輸出戦略」には「海洋プラスチックごみ対策にも資する廃棄物処理」も盛り込まれているが、これはどうなったのだろう?)。

 それを「問題がない」とは言わないが、微小な日本が率先してレジ袋有料化を制度化するというのには非常に違和感を覚える。