売上高利益率と自己資本比率では
「大きな差」は見られない

 もしかしたら、これら倒産企業数比率が高かった都道府県の企業は、そもそも企業体力が

 高くなかったのではないか。試しに企業体力を測定する代表的な指標である売上高利益率と自己資本比率を見てみた。

 これを見ると確かに倒産企業比率が高い10道県の企業の売上高利益率と自己資本比率の平均はどちらの指標でも全国平均を下回る。

 しかし、これは非常にわずかな差でしかなく、この2つの指標の上では優等生の徳島の倒産比率が2%近いことや東京の指標が全国平均を下回り10道県の指標により近いことを考えるとあまり有意な関連があるとは思えない。

「消滅可能性都市」との関連性で
比較してみると…

 もう少し別の角度からも検証してみたい。

 皆さんは「消滅可能性都市」という言葉を聞かれたことはあるだろうか。

 全国的な人口減に加えて都市部への人口移動があるせいで、2040年までに全国で1799ある市区町村のうち約半分の896が自治体として成立できず消滅してしまうという試算である(国土交通政策研究所「地域消滅時代」を見据えた今後の国土交通戦略のあり方について)。

 先行指標として人口再生産を支える「若年女性人口の削減率」を用いる。

 これを見ると、今回倒産企業比率が高い上位10位までの道県のうち、静岡と岡山を除く8道県が消滅可能性都市の先行指標である若年女性削減率の値が全国平均より高くなっている。

 この指標は同時に老齢化の進行と密接な関連があるのだが、新型コロナの足元での経営へのインパクトはもちろん、経営者の高齢化が進んだ企業ではリモートワークやテイクアウトという新しい業務モデルやITの活用に経営者が対応しきれないということもあるのではないだろうか。

 さらに、「年齢的に事業を継続することに疲れてしまった」という心情的な要因も重なりあって倒産が進んでいる、というのは少々乱暴に過ぎようか。