ユーロ紙幣
リーマンショック後と比べたコロナショック後の為替動向の違いは、日本円の対米ドルでの上昇幅が小幅に止まったことと、ユーロが対米ドルで上昇したことだ(写真はイメージです) Photo:123RF

コロナで底堅いユーロ
リーマンショック後と異なる

 欧米で新型コロナウイルスの感染拡大ペースが加速した2月中旬以降、各国株価は大きく下落した。国債に対する社債の上乗せ金利は拡大し、原油など資源価格も需要減の懸念から急落した。

 為替市場では、安全資産とされる日本円が上昇し、ユーロも対米ドルで上昇した。2008年9月のリーマンショック後の為替動向との違いは、日本円の対米ドルでの上昇幅が小幅に止まったことと、ユーロが対米ドルで上昇したことだ。

 安全資産の日本円の上昇幅が小さかったのは、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が、早期に大規模な金融緩和や社債買入など信用緩和措置を打ち出したためだろう。また、新型コロナウイルスの感染拡大が把握されるルートが、中国から欧州、米国という順番を辿るなか、欧州各国政府のコロナ対応や大規模財政措置が米国よりも早かったことが、ユーロの底堅さにつながった。

ユーロ下落リスクは短期的
と考える3つの要因

 投機マネーのポジションは、コロナ後の為替の動きに対して敏感に変化した。米商品先物取引委員会 (CFTC)が公表する投機筋(非商業部門)のユーロのポジションは、2月25日時点では2017年以降最大の売り持ちとなったが、3月中旬には買い持ちに転じ、その後は買い持ち額が膨らんでいる。過去のユーロドル相場との相関からみると、投機筋がユーロ買い持ちを縮小させれば、ユーロ安圧力がかかる。

 しかし、仮に投機筋がユーロの買い持ちを縮小させ、ユーロ安が起きたとしても、その動きは短期的なものであり、長期的には上昇余地が大きいとみている。ユーロ上昇をけん引する要因として筆者は、(1)巨額の経常黒字、(2)他通貨との金利差縮小、(3)ユーロ圏各国政府の団結を想定している。