百戦錬磨の外資系コンサルが書く提案書のノウハウはこれ! まずは読んでもらえる、わかってもらえる提案書をすばやく書こう! 99パーセントの問題をカバーする7つの提案書のパターンから1つを選び、4枚のシートに落とすだけ。もう「枚数で勝負」は終わりにしましょう! 『外資系コンサルの30分で提案書を書く技術』は、外資系コンサルティング会社で学んだ万能の提案書の書き方の入門書です。ここでは、そのエッセンスをコンパクトに紹介します。
相手の心を揺さぶる可能性が大きくアップする
長年にわたり、無数の提案書を書いてきた経験から、相手の心に響く提案書を書きたければ、話の流れをあたかも振り子のように組み立てるとよいです。そうすると、提案書に立体感と現実感が備わってきます。
基本の3章構成に従って4枚の提案書の骨格を作っていくところで、この振り子のように作る流れが非常にいい効果を生みます。
具体的にどうすればいいのでしょう? そこで、図1-7を見てください。
第1章の課題のセクション(1枚目)では、現在の世界を描きます。いま組織が抱えている課題を定義するのです。このとき、振り子は左側に振れているとしましょう。
次の第2章の1(2枚目)では、理想的な解決策が示されます。理想像ですから、現実からは距離があるはずです。現実に似通っていて現在の世界に近ければ、問題の解決策になるとは思えません。ですから、第2章の1ではある意味、現在の状況とは正反対の世界が描かれることになります。このとき、振り子は右側に振れていると考えられます。
ところが、理想的な世界は必ずしも実現できるとは限りませんし、適切な解決策ではないかもしれません。現実にはいくつもの障害があり、それを乗り越えていかなければ課題の解決には結び付かないからです。ここでわかることが、第2章の2の学びや悟りになります(3枚目)。
ですから真の解決策は、振り子が右端から少し左側へ戻り、中央あたりで落ち着く所にあります。ここが第3章(4枚目)で描くことになる新しい世界です。
このように、第1章で見せる現実の世界は左端にあり、その対極の右端には第2章の1の理想的な世界、つまり現実とは正反対の世界があります。そこで学びや悟りを得た結果、新しい世界が中央あたりに築かれるのです。
現実を見せた後に正反対の世界を見せることで、提案書に立体感が生まれてきます。さらに学びや悟りが語られることで、「そうそう!」と現実感と納得感が出てきます。このように提案書の流れをあたかも振り子のように組み立てることで、その提案内容に重みが加わるのです。立体感と現実感を備えた提案書は、相手の心を揺さぶる可能性が高くなります。