【その1】リビングに本棚を置く

 世界に1400万人ほどしかいないにもかかわらず、アインシュタインのような天才や、スターバックス、グーグル、フェイスブックの創業者を輩出、さらにはノーベル賞受賞者の約22%を占めてきたユダヤ人。迫害がくりかえされる中、彼らはどこへ行っても決して盗まれることのない「頭脳」を大切に育ててきたといわれています。

 国際教養大学のアンドリュー・J・サター特任教授は、ユダヤ人の多くの家庭には、リビングなど家族が集まる場所に本棚があるといっています。上のほうには大人の本、下のほうには百科事典や図鑑、辞書など、子どもが自分で調べられる本を置いておき、わからないことがあれば一緒に調べるのだそうです。

 また、リビングのほかにも、寝室や廊下など、自然と子どもの目にとまるところに本を置いておくと、いつでも気の向くままに手にとって読むことができます。

【その2】読み聞かせをする

『魔法の読みきかせ』の著者、ジム・トレリースによると、子どもは中学2年生くらいまで、読む力が聞く力に追いつかないといいます。大人に読み聞かせてもらい、「わかった!」「面白かった!」という体験をすることが、もっと読みたいという気持ちにつながります。

【その3】親が本を読む

 厚生労働省が小学2年生とその親を対象にした調査によると、子どもが1ヵ月に読む本の冊数は、両親が読む本の冊数にほぼ比例していることがわかりました。

 また、ベネッセの調査では、1ヵ月に紙の本や電子書籍を3冊以上読むという人に、読書が好きになったきっかけを聞いたところ、「子どものころに、本を読み聞かせてもらったこと」「身近な人が本好きだったこと」との回答が最も多く選ばれました。両親が本を読む家庭では、子どもが読書好きになる傾向にあるようです。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)

参考文献

メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』(小松淳子訳、インターシフト)
ジム・トレリース『できる子に育つ魔法の読みきかせ』(鈴木徹訳、筑摩書房)
「語彙力が高い人の特徴は読書の幅広さ」(ベネッセ教育情報サイト、2017/8/2)
「読書履歴を活用したデータ分析」(ベネッセ教育総合研究所)
「【秘話】生きることは学ぶこと。天才を生むユダヤ人の子育て」(NewsPicks, 2018/11/15)
「第8回 21 世紀出生児縦断調査(平成 22 年出生児)の概況」(厚生労働省)