日本の水が軟水であるのに対して、ヨーロッパの水の多くは硬水である。軟水と硬水の違いは、カルシウムやマグネシウムなど、ミネラル分の含有量の差にあり、軟水にはミネラル分が少なく、硬水にはたっぷり含まれている。つまり、ヨーロッパの水のミネラル分の多さが、日本人を悩ませるのだ。

 ヨーロッパの水にミネラル分が多く含まれる理由の一つは、石灰岩が多い地質にある。石灰岩から溶け出したカルシウムなどのミネラルが、地下水に溶けて混じっていく。加えて、ヨーロッパの地形は総じてなだらかなので、地下水は川のように流れることなく、100年単位で地下に静かにとどまっている。そのぶん、ミネラルが溶け込む量が多くなるのだ。

 日本の場合、水に溶けにくい火山岩が中心であるうえ、国土は山が多く傾斜地が多い。だから、ミネラル分はあまり溶け込まず、軟水になる。ふだん軟水を飲み慣れていれば、硬水をまずいと感じるのもいたしかたないのである。

 なお、近年は、日本人にも、ヨーロッパ産のミネラル・ウォーターを好む人が増えているが、市販のミネラル・ウォーターは、飲みやすいようにミネラル量が調節されたもの。ミネラル・ウォーターという名前とはうらはらに、日本人の体と好みに合わせて、ヨーロッパの水道水よりもミネラル分は少なくなっている。