保険会社はどのようにして
商品開発を行っているのか
90日――。
筆者が働く生命保険会社は、6月に新型の医療保険を発売した。メディアの記者たちにこの商品の説明を行う機会があったが、何人かの記者の方から「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて本商品の発売を決めたのか?」と質問された。
答えはNOである。保険商品の開発には多くのプロセスが必要であり、検討開始から発売まで1年以上を要するケースもある。その中には監督官庁である金融庁の認可取得も含まれる。
冒頭の数字は、保険商品の審査にかかる標準処理期間である。原則として、この期間内に金融庁から認可が下り、商品内容が確定する。なお、簡易な内容であれば、原則として45日以内に審査は終了する。以下、保険会社がどのような視点から商品開発を行っているのか解説していこう。
商品開発のタイミング
保険商品の開発は、大きく二つに分類される。その保険会社にとって全く新しい商品か、すでに販売している商品の改定のいずれかである。
まず、新商品の開発について。今まで参入したことがないマーケットに新規参入する場合や、新たなジャンルの商品がマーケットに出てきた場合などに、新しい商品の開発をする必要に迫られる。ただし、その開発に当たってはかなり慎重に事前の検討を行う必要がある。