コロナ禍の直撃を受け、浮き彫りとなった株式市場での“株価格差”。同じセクター内でも、業況の強弱によって値動きの二極化が鮮明となっている。特集『コロナ直撃決算 勝者と敗者』(全13回)の#1では、「今から買える強い株」の条件と今後の投資戦略を、日本株のトップストラテジスト4人(キャシー松井・ゴールドマン・サックス証券副会長兼チーフ日本株ストラテジスト、菊地正俊・みずほ証券チーフ株式ストラテジスト、圷 正嗣〈あくつ・まさし〉・SMBC日興証券チーフ株式ストラテジスト、阪上亮太・JPモルガン証券チーフ株式ストラテジスト)に聞いた。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

「週刊ダイヤモンド」2020年9月12日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

新型コロナが企業を直撃
「優勝劣敗」が浮き彫りに

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が色濃く表れた、3月期決算企業の今期第1四半期決算。そこでは前期の本決算の発表時以上に、企業ごとの業績の良しあしによる「優勝劣敗」が浮き彫りとなった。

 製造業をはじめとする多くの企業では赤字に陥る事例が続出し、極めて厳しい事業環境となった一方、勝ち馬に乗った企業群も存在した。例えば、コロナ禍による生活様式の変化を捉えた企業は、むしろそれを追い風に利益を拡大。テレワークの普及や在宅時間の増加による「巣ごもり需要」を取り込む形で、ゲーム関連やITサービス企業などの一角では好決算が相次いだのだ。

 日本企業全体で見ると、厳しい決算内容には違いない(下図参照)。みずほ証券の集計によると、東証1部企業(2・3月期決算)の2020年度第1四半期決算は、経常利益が前年同期比51.4%減、純利益は同55.6%減と前年の半分以下に落ち込んだ。

 20年度の通期予想については経常利益が前期比21%減、純利益は24.1%減の見通し。しかも、第1四半期決算が終わってもなお通期の業績予想を発表できていない企業が約3割あるなど、通期でも厳しい業況が予想されている。

 そんな史上まれに見る厳しい環境下、なぜ株式相場は上がっているのか。日本株のトップストラテジストに分析してもらったところ、その答えとともに、「今から買える株」の条件が浮かび上がってきた。