コロナ直撃決算 勝者と敗者#11
Photo:Bloomberg/gettyimages

オフィス需要の低迷が続くという悲観論から、株価が大きく売りこまれた大手不動産。だが第1四半期の決算は、三菱地所、住友不動産が増益、三井不動産、東急不動産は減益と、対照的な結果となった。三井や東急は株価の戻りも鈍い。特集『コロナ直撃決算 勝者と敗者』(全13回)の#11では、大手不動産の格差を生んだ事業構造を紐解くとともに、今後の収益動向を予測する。(ダイヤモンド編集部 田中久夫)

「週刊ダイヤモンド」2020年9月12日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

三井不動産の株価は7年ぶりの安値圏
東急不動産は8月に上場来安値をつける

「3カ月前の本決算発表時は、各社が出した第一四半期予想、通期予想ともにかなり弱気だった。それに比べると、第一四半期決算のコロナの影響額は総じて小さい」と語るのは、不動産業界を担当する田澤淳一・SMBC日興証券シニアアナリストだ。

 各社とも5月に発表した計画は、営業ができない4月にたてているため、暗い数字になるのは当然だった。ところが、緊急事態が解除された6月以降、商業施設にも人が戻り始めた。この時期に誰も家は買わないだろうと思われたが、マンション展示場の来場者も増えている。

 不動産セクターの大型株は、オフィス需要の低迷が長く続くという悲観論からかなり売られた。7月以降は回復傾向にあるが、いまなお戻りが鈍いのが三井不動産と東急不動産。三井の株価は2月に3000円を超えていたが、7月以降、2000円割れが続いている。約7年ぶりの安値圏だ。東急も8月3日に、上場来の安値(399円)をつけている。

 なぜ、三井と東急だけが出遅れているのか。コロナの感染拡大の影響を受けやすい事業構造を紐解き、大手各社の今後の収益動向を探ってみた。