コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
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なぜ、人と比べてしまうのか

「あの人は自分より仕事ができる」「頭がいい」「かっこいい」「金持ちだ」……。

人は、ついつい他人と自分を比較しますが、比較するほどに落ち込んでしまいます。あるいは、「なんて自分はダメなんだ」と自分を責める。嫉妬心から「引きずり下ろしてやる」とか「嫌がらせしてやろう」とか、他人を攻撃するようなネガティブな考えが浮かぶこともあるでしょう

そんなネガティブな考えが出ても、落ち込む必要はありません。それは、誰にでもあることなのです。

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「社会的比較理論」の提唱者、フェスティンガーは、人が他人と自分を比較してしまうのは、本能、あるいは無意識の反応であると言っています。

つまり、ほとんどの人は、他人と自分を比較する心理的なクセを持っているわけで、「他人と自分を比較して落ち込んでしまう」という心理は、あなただけのものではなく、ほとんどの人に存在するものです

ですから、他人と比較する自分を責めたり、落ち込んだりする必要はまったくありません。

人と自分を比べると「不幸」になる

他人と自分を比べると、確実に不幸になってしまうものです。自分より優秀な人は、この世の中にいくらでもいます。日本人の中で、「仕事」「勉強」「スポーツ」「収入」「容姿」が自分よりも良い人、高い人は山ほどいるのです。それをいちいち比較していたら、それだけで人生は終わります。

仮に、スポーツのある種目で日本一になったとしても、自分よりも収入が高い人は必ずいるし、自分よりかっこいい人も必ずいます。あるいは、日本一になったとしても、世界レベルで見ると箸にも棒にもかからないでしょう。他人と比較すると、死ぬまで落ち込み続けるしかないのです

他人と自分を比べるほど、あなたは不幸になります。自分より上の人と自分を比較する心理を「上方比較」と言います。

上方比較には、「自分もそうなりたいからもっと頑張ろう!」というポジティブな要素もありますが、ほとんどの人は、他人と比較して自分の欠点を探し出す、ネガティブな上方比較を無意識に行っています。

他人ではなく「自分」と比べる

他人と比べると不幸になる。では、どうすればいいのか?

他人や周りの人と比べるのではなく、「自分」と比べましょう。過去の自分と今の自分を比べるのです。3ヵ月前の自分、1年前の自分、3年前の自分、10年前の自分。今の自分がダメだとしても、3年前と比べると、少しは進歩、上達しているのではありませんか?

もし、過去の自分と比べて、進歩していないのであれば、今から頑張って、3ヵ月後に結果を出す。そうすると、「3ヵ月前の自分と比べて、これだけ進歩したよね」と言えるはずです。

「20万円の安月給。でも、去年は18万円。2万円も増えている!」
「TOEIC400点。でも、前回より30点もアップしている!」
「今日も残業。でも、昨日は終電ギリギリだった。今日は22時に帰れてラッキー!」

このように、過去の「マイナスの状態」と比べると、現在は「ポジティブな状態」にいることが明確になります

自分のポジティブな成長を実感できると、「もっと頑張ろう」とモチベーションが湧いてきます。少しずつでも「結果」が出はじめると、毎日が楽しくなり、さらに「やる気」も湧いてきます。

他人と比べると「自分のマイナス部分」が浮き彫りにされ、過去の自分と比べると「自分の変化した部分」が浮き彫りにされます。その中から自分のプラスの自己成長に気づくことで、自己成長が高まり、自分に自信が持てるのです。

他人と比べたい衝動に駆られたときは、「1年前の自分はどうだった?」と過去の自分と比較したイメージを想像して、その衝動を振り払いましょう。