主要国の金融緩和拡大、大型の財政出動を受けて景気が底を打ったことで原油の需要は徐々に回復しつつある。大量に供給されたマネーは金にも流れ、相場を押し上げてきた。原油と金、二大商品相場の行方がどうなるか。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#7 では、3人の専門家に予測を聞いてみた。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
大越龍文氏
野村證券経済調査部シニアエコノミスト
【予測値】
◆原油(WTI先物 1バレル当たり)
2020年末:40ドル/21年末:45ドル
◆金(ニューヨーク先物 1トロイオンス当たり)
20年末:1800ドル/21年末:1300ドル
原油需要の正常化には時間を要するとみられ、上値は重い。OPEC(石油輸出国機構)プラスの協調減産が継続するため下値も堅く、2020年末は40ドル。その後、需要の正常化が進むが、50ドルを超えての上昇は困難。40ドル台半ば程度が落ち着きどころになる。金価格は米国の金融緩和強化の動きが一巡し、ドル先安観が修正され、調整の動きへ。