まずは、韓国系の摂理(キリスト教福音宣教会)でしょう。現在、全国の大学で摂理が最も信者数を伸ばしており、5000人近い信者が活動しているとみられています。

 その活動は都心にとどまらず、およそ20もの地方本部をつくるなどして日本全国に及んでいます。例えば、福岡県で私の知人による調査が行われているのですが、九州大学や西南学院大学でおよそ20人、福岡大学では十数人の学生信者が活動しています。

 摂理は、強姦罪などで懲役刑に服した鄭明析・元教祖が満期で釈放されたことを機に日本での活動を活性化し、コロナ禍に乗じて正体を隠した勧誘をシステム化してネットで活発に展開しています。それも、“入り口”として就職セミナーを開催するなど勧誘の手口は非常に巧妙化しているのです。このほかでは、やはりネットを利用した自己啓発や占いなどを隠れみのにしたミニカルトの被害相談も急増しています。

やまぐち・ひろしやまぐち・ひろし/1946年福岡県生まれ。弁護士。72年東京大学法学部卒業。87年から全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長。『検証・統一協会―霊感商法の実態』(緑風出版)など著書多数。

――歴史の長い巨大新宗教も同様に布教活動が活発化しているのですか?

 いいえ。例えば、摂理と同じ韓国系でも、統一教会は、新天地イエス教会のコロナ集団感染の騒動を受けて、いわゆる「3密」の回避を至上命令にした結果、布教活動が沈滞しているといわれています。

 これは、日本の創価学会を始めとする老舗の巨大新宗教も同じで、その共通項は信者の高齢化にあります。統一教会は50~60代の信者が中心なのに対して、摂理は20~30代の若年層が主軸です。つまり、コロナによって、対面での布教を基本とする宗教団体が停滞し、摂理やミニカルトといったネット社会に適合した布教活動に抵抗がなく、技術を持つ“若い団体”が伸びているといえるでしょう。