(2)年齢の制限

 意外と知られていないものとして年齢の制限がある。田中さんには、直接関係はないが、日本の会社を定年退職した者が、中国の会社に再就職するケースも増えているため、参考までに紹介しておこう。

「外国人の中国における就業管理規定」においては、18歳以上であることが記載されているだけであるが、上記の上海市の通知においては、原則として男性は18歳~60歳、女性は18歳~55歳と定められている(中国の定年年齢とほぼ同じである)。

 もっとも、当該年齢を超えた場合であっても、董事長等の会社の重要なスタッフに就任する場合には、特別に許可が下りる余地があるため、この点からも自分がどのようなポジションとして採用されるかという問題は重要である。

中国の社会保険改革は
他人事ではない

4、中国における社会保険加入の強制

 年平均10%を超える割合で上昇を続けている賃金の問題にとどまらず、会社にとって負担が大きい社会保険の問題に注目が集まっている。これは田中さんが、実際に中国に赴任してから気をつけておくべきことだ。

 中国の社会保険には、養老年金保険・医療保険・労災保険・失業保険・出産保険があり、加えて厳密には社会保険ではないが、住宅積立金制度もある。出身地や都市戸籍・農村戸籍の区別によって強制される社会保険の種類や金額に差が生じるため、中国現地法人にとっては、どのような人を採用するかによって人件費に大きな影響が生じる。もっとも、最近では、出身地や都市戸籍・農村戸籍の区別による差異を少なくするよう社会保険の制度改革が進んでいる。

 現地に赴任する日本人にとって注目すべきなのは、外国人に対する社会保険の強制加入問題である。

 これまで外国人に対して、社会保険への加入は強制されておらず、日本本社で採用され現地に派遣される場合には、民間の海外旅行保険に加入することで代用することが多かった。ところが、「中国国内で就業する外国人の社会保険参加暫定弁法」によって、2011年10月から“法律上は”納付義務が生じている。

 しかし、次ページのような問題が残っている。