洋上風力発電プロジェクトが計画されている秋田県由利本荘市沖
洋上風力発電プロジェクトが計画されている秋田県由利本荘市沖。このエリアは、5グループがコンペに参戦する見通しの激戦区である Photo:Ryo Horiuchi

政府の有識者委員会は9月15日、国が公募する洋上風力発電プロジェクトで買い取る電力価格の上限額を決定。その額が予想を2割も下回り、コンペ参加予定者は「絶句」した。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

 いよいよ政府の公募による洋上風力発電プロジェクトのコンペが始まる。

 第1弾のコンペは、長崎県五島市沖、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖と由利本荘市沖(北側、南側)、千葉県銚子市沖の計5エリアが対象。長崎県を除く4エリアは、電力会社や総合商社、ゼネコンなどの複数のプレーヤーが参戦する見通しで、すでに激しいバトルを繰り広げている。

 その4エリアのコンペで、重要評価項目の一つである「価格」について重大決定が下され、上を下への大騒ぎとなっている。

 経済産業省資源エネルギー庁は9月15日、長崎を除く4エリアのコンペの評価項目などを議論する有識者委員会「調達価格等算定委員会」を開催。最大の焦点だった、「固定価格買取制度(FIT)」によって洋上風力発電プロジェクトの電力を買い取る価格の上限額を29円/キロワット時に決めた。

 従来想定されてきたのは36円/キロワット時だった。エネ庁は8月に開催された同委員会で、そこから引き下げる意向を示唆していた。太陽光発電など再生可能エネルギーのFITによる買い取り総額はすでに3.8兆円に上る見通しで、これ以上の国民負担を避けたいからだ。

「インフラやサプライチェーンが整っていない」などとして、業界団体の日本風力発電協会は引き下げを再考するようエネ庁側に懇願したが、同委員会はエネ庁の意向を尊重して押し切った。

「まさか30円/キロワット時を下回るとは」。秋田県の洋上風力発電プロジェクトのコンペに参戦する事業者幹部は、絶句した。