以前、50代の夫を突然死で亡くした人が相談に訪れた際の言葉が忘れられない。「夫はパソコンで財産管理していたようですが、パソコンのパスコードが分からず途方に暮れました。口座があると考えられる金融機関に子どもたちと片っ端から電話をして確認を取ったんですよ」と言っていたのだ。

ネットバンキングの使い方
不正解のケース(3)

◆金融機関からのメールにあるURLをポチっとし、開いたサイトからログインする

 いわゆる「フィッシング詐欺」に引っかかるケース。「フィッシング」とは、あたかも釣りをするように、実在する金融機関や企業になりすましてメールを送って本物そっくりの偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどを入力させる犯罪行為のこと。IDやパスワードを犯罪者に知られることで、不正送金されるきっかけになる。

 そんな初歩的なミスをするはずはない!と思うかもしれないが、フィッシングサイトは本物そっくりで、大変巧妙にできている。被害者は減るどころか増える一方なのだ。

 先日、大手新聞社の記者が「あやうく引っかかりそうになった」と記事に書いていたが、その原因はスマートフォンのメールだったという。

 フィッシングメールの送信元のメールアドレスは、明らかに不自然なものが多い。PCのメールソフトだとアドレスが表示されるので、「あっ、これはフィッシング」とすぐに判断できるのだが、スマホだと送信元アドレスは原則表示されない(差出人をポチっと押すなど、ひと手間かけると表示される)。

 外出中にスマホでメールチェックし、「今すぐログインしてアカウント更新しないと不具合が起こります」などといった内容のメールに慌ててしまったようだ。

「スマホでメールチェックのわな」は、覚えておこう。

 では、被害に遭わない、遭ったとしても最小限に留める工夫について、ネットバンキングの使い方「正解の3ケース紹介しよう。