にもかかわらず、食事券が大阪府(250億円)の半分も発行できない可能性がある。農水省は、給付金の割り当てに関し、人口や飲食店数を考慮せず配分しているようだ。

 東京都と神奈川県の食事券の販売金額が、それぞれ100億円と仮定し、人口(消費者)1人当たりに換算すると、東京都は1人当たり715円、神奈川県は1085円になる。大阪府は2834円だ。

 結果的に、大阪府には、1人当たり東京都の3倍以上の食事券が販売されることになるかもしれない。

 しかし、いくら第1次募集に応募しなかったとはいえ、都道府県によってこれだけ大きな格差があっていいものだろうか。

民間への事業委託が
不公平の原因の一端

 この格差は、消費者だけに不公平を与えているわけではない。飲食店にとっても、この格差は非常に大きな不公平となる。食事券の販売総額は、その都道府県の参加飲食店の総売上金額になる。

 現状、販売金額が最も多い大阪府は、すべての食事券が使用されれば、来年3月末までの大阪府全体での飲食店の売り上げが250億円保証されたことになる。

 大阪府の飲食店・宿泊業が6万2000店(2006年の数値)とすると、1店舗当たり40万3000円になる。

 一方東京都は、仮に給付金の割り当てが100億円だったとしても、10万10000店ほどあるので、1店舗当たり9万9000円にしかならない。大阪府の4分の1程度だ。

 なお、大阪、東京の飲食・宿泊業の店舗数は2006年の数値のため、現在は1割以上減少していると思われる。ただし、各都道府県の格差を見るに当たっては、古い数字でも大きく変わらないと考えられる。

 多額の税金を投入して行われるキャンペーンで、これほど大きな地域的格差が生じていいものだろうか。委託事業者側の問題もあるが、消費者にとっても飲食店にとっても、あまりにも不公平なキャンペーンである。

 都道府県などの地方自治体が主体となれば、都道府県同士のすり合わせが行われるので、こうした不公平はほとんど起きなかっただろう。だが、今回は民間への委託事業だったため、このような問題が起きてしまった。

 Go To イートキャンペーンは本来、飲食店とそこに食材を納める農漁業関係者の救済の意味で実施されるはずだった。