PULL型営業にはウェブサイトの効果が大きい
「太陽光発電システムは、これからの商品ですし、私にとっても新しいジャンルでしたからPUSH型営業をしようとしても無理でした。どんな商品でも顕在化した見込み客ではない人に、いきなりこれを買ってくださいと言っても容易に買ってくださるものではありません。ましてこうしたユーザーの限定される商品を飛び込み営業でPUSHするのは営業セオリーに反しています。ですから潜在顧客の中から見込み客を引き出すPULL型営業をすることにしました」と、小森さんは言います。
PULL型営業では市場全体にアプローチして、その中から顧客自らが見込み客としてこちらにやってくるように引っ張ります。金具の直接の買い手は施工業者ですが、その施工をオーダーするエンドユーザーにも同時に情報発信できるウェブサイトによる告知がうってつけと考えたと言います。
自分で作ったサイトでの情報発信やブログを開設する他、インターネットで多くのアクセスを得るには工夫がいると感じていた小森さんは、有料ですが情報に信頼性を持つポータルサイトでの露出も始めました。
現在小森さんはオール電化の営業と、太陽光発電システムの営業との2本柱で会社を経営していますが、2012年の初めごろは、今年はそろそろオール電化市場も再び活況を呈してくるのでは、と考えていたといいます。ウェブサイトでも両方をアピールしています。
インターネットからのアクセスでは、キーワード検索によって訪問する人が大半ですが、現段階ではまだ太陽光発電に興味がある人のアクセスが多いようです。
「オール電化は夜間電力の活用によって今の電力料金であれば確かに節約になるのですが、原発事故以降、電力の安定供給や価格が不透明になってしまいました。そうなってしまった以上、オール電化を活用するメリットを打ち出すのが難しくなってしまいました。
太陽光発電システムの営業にいち早く取り組んでいてほんとうによかったと思います」(小森さん)
「オール電化普及の伝道師、小森さん」、というパーソナルブランドを確立していたところからの転身は非常に苦渋の決断であったと思われます。しかし、小森さんのように一度しっかりパーソナルブランドを確立した経験があったからこそ、次への転身もスムーズに行ったのでしょう。また、インターネットを非常に効率よく使用したことも大きかったでしょう。