現代版『武士道』というべき本

神田:僕は今回の『スタンフォード式生き抜く力』を読んで、現代版『武士道』というべき本が出版されたと思いました。

明治時代に、新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)が武士道精神を全世界に普及させましたが、現在、日本が次の出口を見出せない中、この本は、思想的・哲学的に、とてもバランスが取れていますから、これから全世界で翻訳されていくでしょう。すると、各国の読者は、自分たちの思想体系を深く理解したうえで、実践的教育を行っているのが日本人であることを意識に留めることになりますから、これからの日本が世界と関わっていくうえで、大きな支えとなる書になりますね。

ここで、もう一つ聞いておきたいのは、の中にある「スタンフォード式思いやり瞑想」のこと。今でこそ「マインドフルネス」という言葉がみんなに受け入れられ、有名企業でも実践されていますが、15年ほど前にこれをスタンフォード大学・オンラインハイスクールでやるというのは、これまた非常識な企画だったはずです。それを取り入れられたのはどうしてですか。