思い立ったらすぐできる
3つのコツ

 インポスター症候群に陥りがちな人の根本には、2つのクセがあります。「周りの空気を読める、豊かな感受性」と、「完璧主義」です。もちろん、どちらも決して悪いものではありませんが、インポスター症候群から自分自身を守るために今すぐできるコツを紹介します。

(1)ネットのネガティブな意見に触れない
 ネットでエゴサーチをしたり、ネガティブな意見が多いネット記事のコメント欄を見たりするのは控えましょう。

 例えば、成功談を取り上げたネット記事のコメント欄には、「この人はたまたま運がいいだけ」「この人の部下にはなりたくない」などといった否定的なコメントが付くこともあります。インポスター症候群に陥りがちな人がこういったネガティブなコメントに触れてしまうと、たとえ自分が投稿した記事や情報ではなくとも、「自分も周りからそう思われているに違いない」などと思い込んでしまうことがあるのです。「ネットから負の影響を受けない」ことが大切です。

(2)「自分だけでやりすぎない」
 完璧主義の人は失敗を恐れるあまり、行動がとても慎重になる傾向が強いです。

 例えば、企画書を頼まれると、自分にとって完璧なものに仕上げようとするあまり、提出期限を過ぎてしまうこともしばしば。

「失敗を恐れずにまず、やってみる」「自分にとって完璧ではなく、早期にみんなで共有してみんなで仕上げる」ことを目標にしましょう。

 特に時代の変化が早い昨今では、自分ひとりの考えだけでは取りこぼすことも多くあります。2週間後を締め切りとして企画書の作成を依頼されたら、自分にとっては5割のできの企画書でいいですから、5日後に上司やチームのみんなに見せて、意見を聞きましょう。その考えを企画書に取り入れて、また上司やみんなに見せて……ということを繰り返せば、2週間後にはみんなが納得いく企画書ができますし、仕事が早いという評価にも繋がります。

(3)自分だけの逃げ道を見つけておく
 自分がリフレッシュできる方法をいくつか用意しましょう。マッサージに行く、ジムでトレーニングをする、犬の散歩をする、お酒を飲む、おいしいものを食べる、旅行するなど、何でもかまいません。

 また、「何も考えずに湯船にゆったり浸かる」など、何も考えない時間を1日1回30分ほど作ることや、きちんと眠ることも有効です。

部下がインポスター症候群かも?と思ったら
「1on1ミーティング」が有効

「1on1ミーティング」とは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。「こまめに短く」すなわち2週間、あるいは月に1回を目標に、30分ほどの短い対話をするのがよいとされています。1on1ミーティングは、もちろんオンラインでもできます。

 ここで重要なのは「上司は話題を振るだけで、とにかく部下にしゃべらせる」ことです。