【プラン1】
 再雇用後の給与収入が考えていたよりも多く、月10万円の住宅ローン返済を続けられそうなら、500万円で「期間短縮型」の繰り上げ返済を実行する。500万円を繰り上げ返済すると、完済年齢は70歳から65歳に早まるため、年金生活までにローン返済が終わるのでひと安心できる。

【プラン2】
 反対に再雇用後の収入は大幅ダウンで、ローン返済を続けると家計の年間収支が大きく赤字になりそうな場合を考えてみよう。その場合は500万円で「返済額軽減型」の繰り上げ返済をして毎月の返済額を減額し、年間収支の赤字を防ぐ。60歳からの返済額はそれまでの約半分の月5万円になるので、家計収支は少し改善できる。

 ただし、プラン2では返済期間は短くならないので、ローン返済は年金生活まで持ち越すことになる。65歳以降も働く、妻もパートなどで世帯収入アップに協力してもらうなど、プラスアルファの対策を取る必要がある。

「団信」をあてにするのは
絶対NG

定年後に住宅ローン「1000万円超」残っても破綻を回避!2つの見直し術 本連載の著者・深田晶恵氏の著書『住宅ローンはこうして借りなさい』の第7版(最新版)が発売中です。将来「老後貧乏」にならないための住宅ローンの正しい借り方と見直し方とは?後悔しないための安心・おトクな住宅ローンの選び方を解説。累計14万部のベスト&ロングセラーです。

 男性の中には「住宅ローンには団体信用生命保険が付いているから、返済中に死亡するとローン残高はゼロになる。自分はそんなに長生きしないだろうから、老後資金から繰り上げ返済するのはもったいない」と考える人もいるが、FP(ファイナンシャルプランナー)としてはこれには賛同できない。

 厚生労働省のデータによると、60歳を迎えた男性の平均余命は23.97年(2019年簡易生命表より)。つまり、84歳くらいまで生きるということだ。男性も長生きになってきている。

 そもそも、死亡する時期は誰にも分からないので、「保険に賭ける」ことなど、してはいけないのだ。

 60歳以降も返済が続く住宅ローンのことは、今は考えたくない、その時になったら考えようという人は少なくない。しかし、問題を先送りにすればするほど対処法は限られてくる。

 ぜひ、40代や50代のうちから「何とかする」スキルを身に付けて、安心できる老後を迎える準備に取り組んでほしい。