チーム力重視で人員配置をする上司
職場の「紅一点」になりたい女性部下

 「彼女がうちのチームに異動してくると考えるだけで、本当に気が重くて」

とボヤき始めたのは、以前私の下で働いていたことがあり、今はベンチャー系の不動産会社に転職し、企画営業の仕事をしている28歳の女性です。

 「何がそんなにいやなんだ? 仕事なんだから、個人の感情を捨ててチームとしてちゃんとやっていくほうに気持ちを向けたら?」

 「いまの上司にも、そう言われました……。でも前川さん、1回いやだなあと感じてしまったら、一緒にやっていくのはかなりのストレスですよ」

 彼女がここまで嫌う相手は、23歳の新卒女性。
 ・女の武器を使って上司に媚びている
 ・仕事と関係のない話ばかりしてうるさい
 ・自分が優秀であるとアピールしすぎる

といった態度が目につき、嫌悪感を抑えられないといいます。さらに、上司がその新卒女性を「前向きだ」と評価している点も不満のようです。

 「もしかしたら、上司は本当の彼女の姿を知らないから評価しているのかとも思い、それとなく伝えてみたら、さっき前川さんが言ったみたいなことを言われちゃったんですよ。彼女を評価している上司にも『見る目がないな』ってガッカリしちゃいました」

 こうした場合、男性なら飲みにいって同僚にグチりはするでしょうが、「仕事だから、いやな相手とも組むとしても致し方ない」「いやな人が入っても、チームとしての業績のために頑張ろう」という結論に落ち着くことが多いのではないでしょうか。

 しかし、女性はどうやらそうではないようです。先ほどの彼女の不満というのは、新卒女性が自分と性格が合わないというよりは、上司の自分に対する評価が新卒女性より低い、という点にあると私は感じました。

 女性はチームの業績や組織としての人員配置のバランスよりも、上司から自分がどう評価されているかが気になる人が多いようです。そして、上司のささいなひと言で「何であの子ばっかり評価されるの?」「私だって頑張っているのに」「課長はあの子より私を評価してくれている」などと、一喜一憂してしまうところがあるのです。「敏感な人間関係センサー」が働くわけですね。