新入生から新卒へ
東京に集まる人の特徴とは

 都区部に来る年齢で一番多いのは23歳だ。30年ほど前は19歳が一番多かった。バブル経済の頃は、大学生になったら親が仕送りをくれた。しかし、今は親の財力はそこまでない。奨学金をもらう学生もかなり増えた。

 特に1人っ子以外は、東京の学校に行かせるのは経済的なハードルが高い。大学はすでに全入時代で、志望校を選ばなければどこかには入れるので、実家から通える大学への入学が増えた。その分、就職を機に東京に出てくるケースも増えたのだ。

 このため、東京への流入人口は有効求人倍率に比例して決まる。有効求人倍率は全国平均よりも東京の方が常に高いし、その分失業率は低い。仕事が東京にあるからこそ、人が集まってくるのだ。

 給料をもらえれば、そこで暮らすこともできる。そこが社会人と学生が大きく異なる点だ。大卒比率が50%を超え、ホワイトカラーの就職先としての大企業は東京に一極集中しており、金融やITや広告などの主要産業が集積していることから、今後も人の流れは変わらない。特に女性の社会進出が進み、高齢者にも働く人が増えると、仕事がある場所の人口は増え続ける。

 人が集まるからこそ衣食住の仕事が生まれ、人が多いからこそニッチ市場が一定規模に達して、ビジネスとして成り立つようになる。それがサブカルチャーとなり、オタク文化の聖地としての秋葉原、若者文化の発信地である渋谷・原宿、高齢者が集う巣鴨などが集積する、大きな都市を形成している。

 その多様性ゆえに、先進的な取り組みを競うようになり、情報発信力が高まる。こうして少ない人数での深い結びつきがある「むら社会」と対局をなす、都市コミュニティができ上がる。その最たる特徴は「人に干渉しない」という薄い結びつきの人間関係になる。それが東京への流入のハードルを下げる1つの要因にもなっており、加速させているとも言える。

 これは若い人だけの憧れに留まらない。地方企業の社長さんは東京に支店を持ちたがる。そこに仕事が発生しやすいからという理由だけでなく、最新の流行へのキャッチアップを口にする人が多い。何か新しいものに乗り遅れることを漠然と怖がるかのように、1カ月に1回は仕事の口実をつくって東京にやって来る。こうして創り出される「新しい何か」への憧れが、東京の計り知れない魅力となっている。