一番人気のプログラムは
ESの相互添削
22年卒のサロン会員は約600人。東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学の学生が全体の半分近くを占め、トップ企業の内定獲得を目指す意識の高い学生ばかりだという。
船越氏は「学歴のみで入会を決めているわけではなく、応募時のESを見て、目指す視座の高さを選考基準にしている」と語る。1980円という月会費は学生にとっては決して安いとは考えていない。だからこそ、やる気があり、サロンを「使い倒す」という気概のある学生が多いという。会員へのアンケートの回答で一番多いのは、「高い意識を持つ仲間と切磋琢磨できる機会があるのがありがたい」という声だ。
一橋大学商学部卒業後、2015年に新卒で三菱商事株式会社に入社。同社退職後、AIスタートアップを経てユースフル株式会社へ参画し、トップ就活チャンネルメインMCに。総合商社4社、三井不動産から内定を獲得した経験を基に、内定に直結する就活情報を発信する。 Photo by Masato Kato
サロンには、現役の外資系企業の社員や大手企業のOB・OGが運営、または外部アドバイザーとして15人ほど参加し、プログラムの作成に協力している。21年卒で各業界のトップ企業の内定を総なめにした学生たちもインターンとして10人ほど運営に携わり、内定につながる最前線の厳選情報やノウハウを提供する。
具体的なプログラムでは、ES本のベストセラー『納得内定をめざす しばもん流ESの書き方』の著者しばもん氏や、日本経済新聞を最速で解説する南祐貴氏をゲスト講師に迎える特別講義があるが、最も人気があるプログラムは、学生同士によるES添削ライブだという。
社会人が添削した方がいいのではないかと思うかもしれないが、船越氏は「学生同士だからこそ、互いのガクチカ(学生時代に頑張ったこと)や志望動機を見て気づきが得られる。こういう言い回しは説得力が足りないとか、これは印象に残るとか、等身大だからこそいろいろなことに気づいて自分のESをブラッシュアップできる。相互添削で実力が上がるというのは、基本的に一対一でサービス提供する従来の就活サービスにない発想」と自負する。
このようにして学生にアウトプットの場を提供し、学生同士のコミュニティー形成を促すことで、先述した2つ目と3つ目のニーズを満たしている。
さらに、1つ目の情報のスクリーニングに関しては、船越氏やサロンのアドバイザーが就活領域を見ているプロとして取捨選択しつつ、内定を獲得した人たちの最新の情報や感度もきちんと反映させて、情報が古くならないように留意している。