一般企業ほどこの本が役に立つ理由

一般企業に勤めるビジネスパーソンが<br />今こそ「生き抜く力」が必要な理由<br />…神田昌典氏×星友啓校長対談8神田昌典(Kanda Msanori)
経営コンサルタント・作家・日本を代表する国際的マーケッター
アルマ・クリエイション株式会社代表取締役
日本最大級の読書会である、一般社団法人リードフォーアクション代表理事
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。
大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。
戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。
コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会(現在は「次世代マーケティング実践協会」)を創設。
同会は、のべ2万人におよぶ経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。急成長企業の経営者、ベストセラー作家などを多数輩出した。
1998年に作家デビュー、100冊以上の著作を持つベストセラー作家である。
2018年、国際的マーケティング賞として著名な「ECHO賞」の国際審査員に選出。
ビジネス分野のみならず、NPO法人学修デザイナー協会理事を務めるなど、教育界でも精力的な活動を行っている。

神田昌典(以下、神田):非常に重要な提言ですね。

というのは、やはりリモートで仕事をするのがスタンダードになってきた今後の教育を見据えると、コミュニケーションの仕方は今、模索の段階だと思うんです。

皆さん、日々感じているように、オンラインはフェイトゥフェイスに劣るかというとそうでもない。

皆さん、リアルタイムで質問、感想を寄せてくれていますよね。

今、419人が同時にここに集っている。しかも、日本国中だけでなく、全世界から。もし仮に419人の子どもたちが全世界から集い、リアルタイムでオンライン質問できたり、意見を言えたりするのは、まったく新しい環境だと思います。その中で人間教育を軸としながら、子どもたちの社会性と感情に配慮しつつ、心の安定性を保つために、本書にある「スタンフォード式思いやり瞑想」などもカリキュラムに取り入れていく。この双方向型のオンライン教育の方法論が、全世界の標準になっていく可能性すらあるわけです。

しかしながら、現状、多くの組織で実践されているオンライン教育は、まだ一方通行で、講師の話をありがたく聞くレベル。企業ではオンライン会議ばかりになりはじめていますが、正直、寝ててもわかりません。

皆さん、オンラインで同僚の方と会議をするときに、心と心でつながれますか?

難しいですよね。

ですから、星先生が15年間、オンラインでやってこられた感情の支援や、多様性に満ちた意見形成は、学校現場だけでなく、リモートワークを推進したい企業にとっても貴重な経験値になると思います。

日本の学校はオンライン教育を進めようとしていますが、それを急ぎすぎると現場の先生や生徒たちが理解できないというプレッシャーがかかると思います。今の状況を考えると、当然のことかと思います。

ですが、星先生がスタンフォードで実践している教育は、リモートワークを推進したい一般企業にものすごくプラスになるでしょうし、日本には引きこもりの子どもたちがいっぱいいます。この子たちに届けられればと私は思いました。