技術向上にはより具体的に助言する

要素3:「何を伝えるか」

 3つ目の要素は「何を伝えるか」。Nizi Projectでは、J.Y. Park氏が参加者にフィードバックする場面が幾度となくあったが、それらの目的は主に「技術向上」と「意欲向上」、そして「新たな気づき」に集約される。

 例えば「技術向上」を目的にしたフィードバックは極めて具体的で、まるで優秀なスポーツトレーナーのようでもある。精神論だけに偏らず、理論や構造・メカニズムに基づいてより具体的に伝え、参加者たちの成長に貢献している。例えば次のようなコメントだ。

J.Y. Park氏「(応募シートに)腰に負担をかけずにダンスをする方法が知りたい、と書いてあります。重心をうまくとる方法と腰を痛めない方法は同じものです。骨盤が立っているとき、こうやって耳と肩がなるべく遠くなるようにして、そうして力を入れたまま肩を下げながら背中の筋肉2つ、一番大きい筋肉2つに力を入れ、お尻の方に力を入れて、この4つに力を入れてから、もう1回やってみて。踊る時も、お尻、背中の筋肉の4つを使ったら腰はケガしないはずです」――地域オーディション最終審査にて、アカリに向けて

J.Y. Park氏「みなさん、ダンスが上手でも重心が乱れていたら動作がすべて乱れます。なので、ダンスがうまくなるためには、今、マヤさんが言ったコア運動、プランクなどがとても大切です。僕も1日に1時間ぐらいしていますが、運動をして筋肉を付けることで重心がブレなくなります。自分がどれだけ手足の動作を正確にしようとしても、重心がブレたらダンスのラインがすべて乱れます」――韓国合宿 個人レベルテスト 参加者一同に向けて

相手のことをどこまで考えているか

 また「意欲向上」という側面では相手に期待を伝えているのが印象的だ。一人ひとりの資質に期待し、日常的な練習を大切にするよう伝えて意欲を向上させている。もちろんこれには、「最初からモチベーションの高い人を相手にしているからだろう」とか「うちの部署にそこまで資質のある人はいない」という反論もあるかもしれない。

 しかし仮にそうだったとしても、私たちは職場の一人ひとりの資質や持ち味がどこにあるか考えることに、どこまで時間を使うことができているだろうか、胸に手を当てて考えたいところである。

J.Y. Park氏「歌に天性の素質があります。本当に頑張って練習すれば、すごく上手になると思います。頑張ってください」――東京合宿 ボーカルレベルテストにて、モモカに向けて

J.Y. Park氏「13人の中でユナさんが上手にできる可能性と、できない可能性の幅が一番大きいと思う。ユナさんは1位にもなれるし、13位にもなれる。それが誰にかかっているかというと、ユナさん自身にかかっている」――韓国合宿 チームバトル前の練習にて、ユナに向けて