企業がウェブサイト上で顧客にとって有益な情報を提供できているかどうかの指標となる情報価値。コロナ禍でもこの情報価値を大きく増加させた「勝ち組企業」はどこなのか。特集『DXの勝者はどこだ?ウェブサイト価値ランキング2020』(全7回)の#4では、その増加額で見ていこう。(トライベック・ブランド戦略研究所 後藤 洋、平井郷子/ライター 高橋 学/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ナイキは2倍増!
情報価値を増やした企業の特徴とは
本特集#3『ウェブサイト「情報価値」ランキング2020【ベスト50】2位サントリー、1位は?』では、「情報価値」が重要な指標であることを述べた。
情報価値とは、推定閲覧者数に基づく「閲覧価値」と会員登録やキャンペーン応募、資料請求などに基づく「行動価値」の合算値だ。
企業・ブランドのウェブサイトやSNS、アプリを通じて消費者に動機づけをし、行動に導く。デジタルメディア全般がビジネスのチャネルとして機能しているのか、その価値を金額換算して指標化したものだ。
その上で、さらに注目したいのが昨年と比較して情報価値を増加させた企業やブランドである。コロナ禍においても業績を維持、または向上させている企業の多くは、デジタルメディアでの情報発信やSNS、公式アプリの活用などを積極的に行って情報価値の増加に努めていた。
そのため今回は、情報価値の「増加額」が多かった順に上位30社をランキングした(ランキング表は次ページ)。
中でも注目したい企業の一つが、眼鏡を販売しているJINS(同4位)だ。同社の情報価値は、昨年と比べて1.7倍の161億円だった。ECサイト、アプリの活用などデジタルメディアへの取り組みも先進的だ。例えば「JINS BRAIN」というAIを使って、商品をバーチャルフィッティングしながらそのマッチ度を判定してくれる。またアプリでは、これまで紙で発行されることの多かった保証書や度数なども全てデジタルデータで管理することが可能だ。
一方、外出自粛が続く中でいわゆる「在宅トレーニング」に対しても意識が高くなっているが、その関連企業としてナイキ(同9位)にも注目しておきたい。同社の情報価値は昨年に比べて約2倍となった。特に同社のアプリである「Nike Training Club(ナイキトレーニングクラブ)」は、190種類以上のワークアウトに無料でアクセスできるほか、ヨガやストレッチなどのコンテンツも豊富だ。
次ページでは、情報価値「増加額」ランキングベスト30を一挙にご紹介する。1位に輝いたのはどの企業か?そして、JINSやナイキ以外でウェブサイトの情報価値を急激に高めた企業はどこか?
ぜひランキング表で確かめてほしい。