また、長い目で見ると、怒りは心臓病などとも関係が深いこともわかりました。最終的には、心筋梗塞や脳梗塞など血管が「詰まる」病気に強く関係していて、怒りが強い人ではそのリスクが2.9倍高かったのです。

 欧米の研究でも、喜ぶ、泣く、怒るなどの感情と血圧との関連を見た結果、怒ったときに血圧がいちばん上昇しやすいことがわかっています。さらに、怒りは突然死の原因となる心室頻拍などの不整脈を引き起こすことが報告されています

「ライバル心」が病気を引き起こす!?

 怒り以外の感情にも、病気のリスクを高めるものがあります。それが「敵意性」です。敵意性とは文字どおり、相手に対して敵意を持つことです。怒りとも似ていますが、もっと相手を攻撃的にライバル視するイメージです。

 いろいろな研究がされていますが、怒りと同様、敵意性が強い人は、病気のリスクを高めるといわれています。特に心筋梗塞などの冠動脈疾患について、敵意性との関連をメタ分析(これまで公表されている論文を集めて分析したもの)をおこなった結果、敵意性は怒りと同じように冠動脈疾患の発症を増やすことが報告されています(Chida Y, et al. J Am Coll Cardiol, 2009)。

 実は敵意性があることによって、生活習慣にかなり影響が出ることがわかっています。想像してみればわかることですが、敵意のある人が、穏やかにいつも笑顔で暮らしているとは思えませんよね。具体的には、敵意性が高くなればなるほど、喫煙率が高くなります。また飲酒量も増えます。興味深いのは、身体活動量はほかの人とは変わらないのに、食事によるエネルギー摂取量が高いことです(Ohira T, et al. American Journal of Epidemiology, 2008)。

 では、なんのエネルギー摂取が増えるのかというと、その原因は肉なのです。肉を食べすぎると敵意性が高くなるといわれていますが、これはその証拠といえるでしょう。肉を食べるから敵意性が高いのか、敵意性が高いから肉を食べるのか? 調べていくと、肉を食べるから敵意性が高くなることがわかりました。