「学校制服」は時代を映し出す鏡だ。最近では、新型コロナや猛暑対策で服装自由化を進める学校も出てきている。時代と共にどのように変化してきたのか。教育ジャーナリストの小林哲夫氏の著書「学校制服とは何か その歴史と思想」(朝日新聞出版)から抜粋して、制服を作る側の戦略をみていく。
制服姿でディズニーランドへ行き写真をとりたい
日本毛織株式会社(ニッケ)は制服の素材メーカーとして知られている。学校制服の歴史、モデルチェンジ、制服メーカーの取り組みなどについて、各種資料を発表している。
ニッケは学校制服の歴史をまとめている(図表1)。これをもとに同社の制服販売担当者から話を聞いた。
図表1 拡大画像表示
「1960年代の高度経済成長期からの新設校の設置に合わせて新しいデザインの制服が増えました。このとき、男子は戦前の教育の象徴とされた詰襟ではなく、ブレザーを採用する学校が増えました」
この間、高校闘争が起こり生徒から制服は管理の象徴とみなされ自由化要求が起こる。これを受け入れて自由化したところもあれば、しばらくして詰襟からブレザーに変えたところもあった。女子はどうだっただろうか。