読みやすい文章にするためには、書き手が内容をきちんと理解していることが前提だ。そのうえで、「一文をなるべく短くする」ことと、一つの文で「ひとつずつ伝えること」を意識すると、文章はぐっとわかりやすくなる。熟語の多用は避け、噛み砕いた表現に換えていく。「なるべくシンプルに言えないか?」と考え、削れるところはできるだけ削ってしまおう。

 長い文章を書くほうが大変だし価値がある、というのは錯覚だ。大切なのはそれが「伝わるかどうか」である。情報を短く伝えられるのであれば短くしたほうがいい。小説のように没入感を強めたい場合は長い文章、ノウハウ本ならば短い方が読者から喜ばれるはずだ。文章の長さは目的によって使い分けよう。

【必読ポイント!】
◆「読まれる」文章から「おもしろい」文章へ
◇文章は基本的に読まれない

 多くの人は「読んでもらえる」と思いすぎだ。文章は「基本的に読まれない」と思っておいた方がよい。文章に限らずおもしろいコンテンツが無数にある中で、読んでもらうためのハードルは年々厳しくなっている。なぜあえてこの文章を読まなければならないのか、その意味を考えなければ、読まれずに終わってしまう。

 書き手が「書きたいこと」と、読み手が「読みたいこと」は多くの場合ズレているものだ。読まれるためには、「著者が書きたいことと読者が読みたいこと」の二つが重なる部分のすり合わせをしなければならない。

 話題になるようなネタを生み出すキーワードは「自分ごと」である。(1)お金、(2)食欲、(3)恋愛・結婚・家族、(4)健康、(5)教育といったテーマは、読み手が「自分ごと」にできる分野であり、かならず需要がある。これらのテーマの記事には競合も多いため、自分の得意分野、専門分野と掛け合わせて独自性を生むことが大切だ。昆虫に詳しい人が、恋愛・結婚のテーマと掛け合わせて「昆虫は不倫をするのか?」という記事を書いたとしたら読まれるかもしれない。

 井上ひさしさんによるシンプルで本質的な作文の秘訣を引用すれば、それは「自分にしか書けないことをだれにでもわかるように書く」ということになる。読まれない文章には「読む動機」がない。読んでほしいのであれば「なぜ、それを読むのか?」という動機をつくってあげなければならないのだ。