では、個人でのケアで使う歯ブラシはどんなものを選べばよいのか。西村氏はいろいろな歯ブラシを試してみて、自分にピッタリのものを見つけることを推奨している。

「個人に合ったものを選ぶべきです。力を入れて磨く人は硬すぎると歯を削る恐れがあります。また柔らかすぎると実際に歯にあたっているかどうか感覚がつかみづらい場合もあります。ヘッドはあまり大きくない方が、小回りが利いていいように思います。定期検診時に指導を受けるのも有効です。

 取り換えは、毛のない反対側から見て毛先が広がって、先が見えるようになったら換え時と一般に言われますが、分かりにくければこまめに月1回くらいのペースで交換するのはどうでしょう」

 では、忙しいときでも手軽にできるマウスウオッシュの効果はどうだろう。

「口をゆすぐだけでは汚れは取れません。口腔内の細菌は『バイオフィルム』といって粘性の歯垢(しこう、プラーク)に埋まる形で歯の表面にこびりついているからです。もちろん歯ブラシなどで磨いた後に、汚れを一緒に洗い流すという意味では効果があるかもしれませし、香料などで口臭を一時的に緩和する作用もあります。ただし効果は一時的なもので、基本は歯ブラシによる除去が必要です」

 溶けかけたあめ玉の中に細菌が生息している状況を想像すると分かりやすい。あくまでマウスウオッシュは歯ブラシの補助的なツールで、歯みがきに勝る口腔ケアはいまのところないようだ。

「残念ながら歯周病予防に近道はありません。専門家の力を借りながら、継続的に予防するのが一番です」

 万病のもととなる歯周病。毎日の地道なケアで防いでいくしかないようだ。

(関連サイト)
九州大学大学院歯学研究院教授・博士(歯学)西村英紀氏
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004950/society.html