その理由はシンプル。角が立つといいことはないからです。これは上司に対しても同じです。

 たとえ1日分のミーティングの時間を棒に振ろうと、ていねいに相手のペースに合わせます。無理に納得させようと抑え込みにかかると、相手の感情を害し、結果として時間を短縮するどころか、むしろ強いデメリットを生み、問題解決への道筋が長期化してしまうのです。

上手に質問しながら
顧客自身に考えを整理させる

 では、どうすればいいのでしょうか。マッキンゼーのコンサルタントであれば、こんな質問をするでしょう。

「御社の白へのこだわり、すばらしいですね。市場は、そのこだわりをどのように受け止めているのでしょうか?」

「ところで顧客は、そもそもどんなコップが好きですか?」

「いま、いちばん売れているコップはどんなものですか?」

「ご自身がお客さんでしたら、どんなコップがほしいですか?」

「どんなときにコップを使いますか?」

「食事のときには、何をよく飲みますか? それを飲むときは、何を使いますか?」

 意見や仮説があれば、こうして質問のなかに交ぜるようにするのです。問いをうまく活用するわけですね。

 十分に相手の話を引き出したあとで、次回への宿題としてこうした質問を投げかけられると、相手自身がその答えを自ら考えることを助けます。うまい問いができれば、相手はぐっと身を乗り出して、聴いてくれるものです。

 この方法は、ほかにもいろいろな局面で使えます。

 保険の営業担当がお客さんに商品をすすめる場合も、車のディーラーがお客さんの好みの車をさぐる場合も、同じです。

 お客さんのほうも、自分が何がほしいかを明確にわかっていることは稀です。

 質問を上手にしながらお客さんの考えを整理し、商品を自発的に選ぶお手伝いをしてください。