理系が実践している合理的な方法を読書に応用した『理系読書 読書効率を最大化する超合理的サイクル』は、本をまるで理科の実験のように扱い、最短最速でスキルハントする。インプットとアウトプットが速すぎて、「速く読むこと」や「大量に覚えること」を目的とする読書術とは、一線を画した内容。最短最速で著者の経験知やノウハウを自分の頭にインストールし、自分の問題解決に役立てる至極の読書術です。

AIにできない問題発見が読書をより面白くするPhoto: Adobe Stock

本はいつでも新鮮な発見を提供してくれる

 理系読書のやり方に沿って、「読む」「やってみる」「確認する」の超合理化サイクルで、自分の持っている問題意識を解決できたら、次の本を手に取るタイミングです。

 人間、生きている限り問題がすべて解決することはありません。一つの問題が解決できたら、また新たな問題が生じるものです。

 私は自分の強みがわからないと悩んでいた時期に、『さあ、才能に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2・0』(トム・ラス著、古屋博子訳、日本経済新聞出版)を読んで、自分の強みを発見できました。

 そうしたら、また新たな問題が生じたのです。自分の強みをビジネスの中で具体的にどう生かせばいいのか、です。

 そこで今度は、『ビジネスモデルYOU』(ティム・クラーク、アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール著、神田昌典訳、翔泳社)を読み、パーソナル・キャンバスで自分自身のビジネスモデル化を行いました。

 このように、本を読めば読むほど新しい問題意識が湧き出てきて、新しい本に出合うきっかけを与えてくれます。ビジネスが問題発見とその解決の連続であるように、読書も1回で完結するものではなく、連続していくものです。それゆえ、「超合理化サイクル」なのです。

 部分的には人間の脳をすでに超越しているAIも、問題発見することは苦手です。

 したがって新たな問題が出てくることを、「次から次へと問題ばかり……」などとネガティブに捉える必要はありません。問題発見は、人間が持つAIよりも優れた能力の1つだからです。AIにできない問題発見が読書をより面白くしていくのです。

 問題をまったく見つけられない毎日よりも、次々と新たな問題を見つけることができる日々を送ったほうが、人生はより刺激に満ちあふれていくはずです。

 なぜならば、あなたが問題を解決することが、目の前の人、あるいは自分に関係する誰かの幸せにつながるからです。そう考えると、問題発見を絶え間なく続けていく人生のほうがワクワクすると思いませんか?

 そんな人生にしてくれる一つの手段が、理系読書なのです。