2007年2月からは、ブログ「ドクター江部の糖尿病徒然(つれづれ)日記」を開始して、糖質制限食について紹介したり、糖尿病についてのさまざまなご質問にお答えするようになりました。現在1日のアクセス数が7000~8000件ということも、かなり糖質制限食の普及効果があったと思います。

 そして本書では、糖質制限食が医学界にも世間にも少しずつ広がりつつある現状をふまえて、高雄病院の10年以上の経験、1400人以上の患者さんの治療実績をもとに、糖尿病以外のより幅広い疾患(しっかん)、生活習慣病についても解説しました。

 糖質制限食は「変わった食事」というイメージを持たれがちですが、実は人類本来の自然な食事なのです。人類が誕生したのが約700万年前で、農耕が始まるまでは狩猟(しゅりょう)・採集を生業(なりわい)とし、すべての人類が糖質制限食を実践していました。農耕の始まりは約1万年前で、その後は主食が穀物(糖質)へと変化しました。

 すなわち穀物を主食としたのは、人類の歴史のなかでわずか700分の1の期間にすぎないのです。糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかは言うまでもありません。糖質制限食は人類本来の食事、いわば人類の健康食なので、糖尿病や肥満・メタボに限らず、さまざまな生活習慣病が改善するのも当たり前といえば当たり前なのです。

 しかも糖質制限食は、主食を抜くだけで「おいしく楽しく」続けられるのが特長です。従来のカロリー制限食に比べれば、肉も魚も蒸留酒もOKでお腹いっぱい食べることができ、はるかにラクに実践できます。本書ではその効果と実践法をくわしく紹介します。

 なお、執筆にあたっては個人情報を保護する配慮をしていますが、公開OKをいただいたコメントをもとにした、私のブログ記事からの引用もあります。ブログ読者の皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。

2011年10月
江部康二

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