郵便配達員
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政府は、郵便の土曜日配達を廃止する方針である。働き方改革の一環として、また労働力不足時代への対応として、日本のサービス業の過剰品質是正への一歩として、大いに歓迎する。(経済評論家 塚崎公義)

働き方改革が必要

 日本経済全体として、働き方改革の必要性は痛感されているはずである。もちろん、無駄を省くことによって残業時間が減ることが最も望ましいが、日本の場合は過剰サービスの削減によっても働き方改革が進むはずである。

 日本企業の過剰サービスは、過当競争によってもたらされる場合が多いのだが、日本郵便の場合には競争が事実上制限されているのであるから、政府が過剰サービスをやめると決めれば済む話だ。

 かつて、週休2日でなかった時代には、土曜日も「平日」であったから、郵便局員が配達することに特に違和感がなかったのであろうが、今は週休2日の時代なのだから、郵便局員も配達を休む方が自然であろう。時代の変化に郵便局も追随すれば良いのではないか。

 時代の変化といえば、メール等の発達で「急ぐ手紙」が減っているということも考慮したい。どうしても土曜日に届かないと困るような郵便は減っているので、土曜日の配達をやめても困る人は少ないはずである。

 どうしても急ぐ人は「速達」を使ってもらえば良いだろう。その分だけ事実上の値上げになるわけだが、やむを得まい。少数の急ぐ人のために大勢の働き方改革を犠牲にするわけにはいかない。

 働き方改革に加えて、コスト負担の適正化という視点も重要であろう。土曜日に配達してほしい少数の人のために郵便局員の配達回数が増えると、郵便局のコストが増えて郵便料金の値上げにつながりかねない。あるいは「土曜日の配達をやめれば値下げができるのに」ということも考えられる。

 いずれにしても、少数の急ぐ人のために大多数の人がコストを負担させられている可能性が高い。そうであれば、急ぐ人が自分で速達料金を支払ってコストを負担する方が公平であろう。