元郵便局員に一方的な業務廃止の通告、浮かび上がった3つの疑問

元郵便局員に一方的な業務廃止通告
透けて見える「見せしめ」疑惑

 今年3月末に長年勤めた地方の郵便局を退職し、心機一転、損害保険会社に入社して再スタートを切った山下和之さん(仮名)。その山下さんの自宅に、かんぽ生命保険から一通の封書が届いたのは7月中旬のことだった。

 退職してから3カ月半。大した内容ではないだろうと思い、数日後に封書を開けた山下さんは愕然とした。「貴殿に対し、生命保険募集人業務廃止の処分を決定しましたので、通知します」という一文が目に飛び込んできたからだ。

保険ラボ7月半ばにかんぽ生命から送られてきた文書 Photo by Akio Fujita
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 併せて、「業務廃止となった募集人として生命保険協会等に登録する」とも書いてある。これは、保険契約において著しく不適当な行為をした募集人として、生保協会に3年間登録されることになる。いわばブラックリストに載せられるわけで、保険業界からは事実上、抹殺されるに等しい。保険募集人にとって最も重い処分であり、現在勤めている保険会社からもいずれ退職せざるを得なくなるだろう。

「そんなばかな!何かの間違いではないか……」

 山下さんがそう思ったのも無理はない。不祥事故として記載されていた内容は到底納得できるものではなかったからだ。しかも、この件をよく知る郵便局関係者は、「この業廃は見せしめだと思う」と声を潜めて言う。いったいどういうことなのか。