「幼児期の習い事」はまだ早い?子どもらしく育てるための順番とは早期の習い事などで、幼児にふさわしくないプレッシャーやストレスが与えられることもある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

料理にも目安としての「順番」があるように、人間の成長発達にも普遍的な「順番」があります。からだを育てる時期に早期教育や知能開発を無理にさせると、自己肯定感が低かったり、何事にも受け身に育ってしまう恐れがあると、虹のこども園園長でシュタイナー幼児教育者である虹乃美稀子さんはいいます。そこで今回は、虹乃さんの著書『いちばん大事な子育ての順番』(青春出版社)から、幼児期に心がけたい育児のヒントを紹介します。

「個性」を大事にするあまり「発達の順番」を見落としがちに

 子育てにおいて今は「個」が尊重される時代。個性を育むこと、それはとても素晴らしいことなのですが「個」を尊重したいと思うばかりに、大事な「発達の順番」の視点が抜け落ちてしまっていることが多いのです。

 そして、発達にそぐわない関わりやアプローチによって子育てを難しくしてしまったり、発達のバランスがとれていないところを安易に「個性」と認めて接してしまったりしていることが、実は子どもの健やかな成長を阻害していた、というケースも少なくありません。

 人間の成長の法則は、下から上へ、つまり「足から頭へ」です。人間たる象徴が直立二足歩行であるように、まずはしっかりと立ち上がり、己の人生を生きる土台となる「からだ」を育てることが、幼児期には最重要課題です。