「落ちる」ことに慣れると
選考本番に強くなる

 慣れと同時に大事なのは、選考に「落ちる」経験をすることです。応募し、選考の場でうまくアピールできなかったという失敗や、もっとやれたはずなのに落ちたという事実は、受け入れがたくつらいことかもしれません。しかし、トップ企業から内定を取る学生であっても、全ての選考に受かる人はまずいません。落ちることは想定の範囲内だと思って、「否定」されることに慣れた方がいい。この先社会に出てから、そういう場面に必ず遭遇するはずですから。

 一度選考に落ちた経験があるかどうかで、本当に行きたい企業を受けるときの心持ちが変わってきます。選考に落ちることは、本選考で入りたい会社に行くための手段くらいに考えてください。

 年末年始からでも間に合う就活のステップを説明してきましたが、実際には準備してから動くというよりは動きながら準備もするイメージです。ステップ2と3が同時進行し、選考を受けながら自己分析をし、選考企業のリストをつくっていくことになります。走りながら考える、考えながら走るという感覚です。

 この3つのステップに共通することは「実践して継続する」です。情報にはいくらでもアクセスできますが、情報を理解することと、実際にやって続けることは全く別次元の話です。就活においては、情報量よりも行動量が成長との相関が高いのです。この3つのステップで、「行動する習慣」を身に付けてほしいのです。

 最後に親御さんに2つだけアドバイスを。1つはお子さんが決めたことには口出しをしないこと。親の言う通りにすればいいと子が思考停止する癖がつくと、自分で考えて決めることができず、ESや面接でアウトプットの質が落ちてしまいます。

 もう1つは、お子さんが選考で落ちたときに、ショックを受けすぎないこと。子どもはさらに落ち込んで、次のチャンスに向かえなくなります。子どもの意思決定を尊重する応援型コミュニケーションで、失敗はただ温かく見守ってあげてください。