22年卒の最速組は
すでに4月から動いている
22年卒の採用スケジュールをざっと見てみましょう。政府からの要請もあり、経団連の会員企業は21年の3月に情報解禁、6月から面接開始というスケジュールになっています。従来はこの3月、6月が2つの大きな山になっていましたが、この2〜3年で山が分散するようになっています。
インターンシップに参加した優秀な学生を、本選考とは別の特別な選考ルートに乗せて早めに内定を出す企業も増えており、外資系など一部企業では、10月、11月に内定を出すところもあります。22年卒の選考は、東京五輪で混雑が予想される来年の7、8月を避けるために、採用活動を前倒しする企業も多くなりそうです。
インターンシップは夏、秋、冬と開催されますが、情報感度の高い22年卒の学生は、20年の4月から、夏のインターンシップに向けて準備し、7、8月に選考を受け、8、9月でインターンに参加しています。そうした学生と比べれば、これから就活を本格的に始めようという人は出遅れていると言わざるを得ません。
しかし、打つ手がないというわけでは決してありません。あくまで本選考は3月からです。ただ、本選考に臨むにあたり、すでにインターンシップに参加して成功や失敗の経験を積んだ学生と同じ土俵に立っているということを認識しておく必要はあります。
では、出遅れてしまった22年卒の学生が年末年始からやるべき具体的なアクションとは何か。
これから動き出す人は「そもそも何が分からないのかが分からない」状態だと思います。第1ステップとして、大学のキャリアセンターや民間のサービスで模擬面接を受けてみて、何ができないのか、何が分からないのかを知り、課題をクリアにしてください。課題が分からなければ、解決するために動くこともできません。
次に、実際に選考を受ける企業のリストをつくりましょう。受ける企業をリストアップすることで、いつまでにインターンシップへの応募をすればいいのか、ESに書くための志望動機などをいつまでに考えておく必要があるのかなど、やるべきことが締め切りとともに明白になります。仕事もそうですが、就活においてもスケジュール管理とタスク管理はとても重要になる。これが第2ステップです。
第3ステップは、今の時期から応募できるインターンシップにエントリーすることです。前述の通り、早い人は夏、秋のインターンシップで、採用担当者の厳しい目や鋭い質問にさらされて、成功したり失敗したりした経験を積んできています。すなわち「選考慣れ」しているのです。慣れていれば、落ち着いて自信を持って話せます。
選考は自信があるかどうか=慣れているかどうかで、大きくパフォーマンスが変わってきます。あくまで志望する企業を受けることが基本ですが、志望企業全ての選考に受かることはまれです。少なくとも20社程度は、常に選考リストに確保しておきましょう。