RCEPは日本にいいことばかりか
中国、韓国と初めて締約したEPA
日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ASEAN10カ国の計15カ国が、RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:地域的な包括的経済連携)協定に署名した。
日本にとっては中国、韓国と組む初の経済連携協定(EPA)だ。
しかも、RCEP参加国は日本のモノの輸出の43%(2019年時点)、輸入の50%(同)を占める(図表1)。
それら国々への市場アクセスが容易になれば、貿易量の増加、あるいはアジアにおけるサプライチェーンの分散化に寄与すると期待される。
しかし、事はさほど単純ではないだろう。
今回のRCEPは、デジタル人民元(DCEP)と共鳴することで、アジアにおける経済・通貨の覇権のあり方を変える可能性を秘めるからだ。