目的が定まっていれば、それに向かって具体的な努力を重ねることができる。そのための知恵もわくし、創意工夫も生まれる。逆にいえば、具体的な目的がなければ、幸運も降りてきようがないということである。そしてその目的は、自分なりの価値観、「しあわせのものさし」で測ったものでなければ意味がない。

◇ゲームをおりない

 私たちは生きていくうえで、色々なゲームに参戦していると捉えることができる。受験や就職活動は言うまでもなく、結婚して家庭生活を送ることも会社で働くことも、ゲームのひとつといえる。運がいい人は、自分が「これぞ」と思うゲームからは決して自分からはおりないのだ。「これぞ」というゲームとは、社会的な圧力によって何となく参加したゲームではなく、自分なりの「しあわせのものさし」で測った夢や目的に関するゲームのことである。

 とはいえ、夢への道のりが失敗ばかりだとめげてしまうのも人間である。そういった時には「ゲームは常にランダムウォークモデルのように進む」と考えるとよい。コインを投げて、表ならプラス1、裏ならマイナス1進む点をプロットしてみるとしよう。その行為を1万回繰り返した時、多くの人はその点が、ゼロを中心とした狭い範囲を行ったり来たりすると考えがちである。しかし実際には、マイナス1万からプラス1万までの広い範囲を点は動く可能性があり、ゼロ付近に留まる確率はごくわずかなのだ。これがランダムウォークモデルである。

 これを、現実の夢や目的への道のりに置き換えて考えるのである。コインを投げたときと同様に、夢を追う場合にも、マイナスの出来事、あるいはプラスの出来事ばかりが続くことは少なくない。しかし、長期的にみれば、プラスとマイナスの出来事がほぼ半分ずつになる。運がいい人は、マイナスの出来事が続いても簡単にゲームをおりない。マイナスの時は被害が大きくならないように努力し、次のチャンスに備えるのである。そして、プラスの出来事が続いたとしても、気を緩めずに邁進することができる。

◇脳から変わる

 運のいい人は様々な方法で自分の脳を「運のいい脳」に変えている。ここまで、運がいい人に共通する考え方や行動パターンを見てきた。結局、運というものは生まれつき決まっているものではなく、その人の考え方や行動の仕方でいくらでも変わるということだ。