高層ビル
写真はイメ―ジです Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、政府主導の各種支援策により倒産件数は過去20年で最低水準にとどまっている。だが、足元の企業業績を見ると、深刻な実態が浮かび上がる。帝国データバンクがとりまとめた最新データをもとに解説する。(帝国データバンク情報部 情報編集課長 阿部成伸)

倒産件数と負債総額は
過去20年で最低に

 新型コロナウイルスは2020年の企業倒産にどのような影響を与えたのか。この度、2020年の全国企業倒産(法的整理を対象、負債1000万円以上、個人事業主含む)のデータがまとまった。結果は件数が前年比6.5%減の7809件、負債総額が前年比16.4%減の1兆1810億5600万円となり、件数、負債総額ともに2001年以降の20年間で最少(最小)となった。

 コロナ禍で多くの事業者が売り上げ減少、来客数減少など極めて厳しい経営状況に置かれているにもかかわらず倒産件数が減少した最大の要因は、政府主導の各種支援策の執行にある。

 支援策は、緊急融資から補助金、助成金、給付金そして税金や社会保険料の支払い猶予、不渡り猶予などまで幅広く、実際、これまで中小企業向けに執行された緊急融資は、民間金融機関、日本政策金融公庫、商工中金を合わせて総額31兆6991億円に上っている(内閣府データ、1月7日現在)。

 一方では、「コロナがなければ本来倒産していたはずの事業者が、支援策によって相当数延命されてしまっているのではないか」と、中小企業金融円滑化法で急増したといわれるゾンビ企業の再来を懸念する声が上がり始めているのが現状だ。