経済は回復軌道に乗ったが
共産党統治と成長モデルの矛盾課題に
中国国家計画局が18日、発表した2020年の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年比2.3%増で、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない主要国がマイナス成長の中で、いち早く経済回復軌道に戻りつつある。
他方で、中国経済を引っ張ってきたファーウェイやアリババなどの巨大IT関連企業は米国市場では中国当局とのつながりを疑われて排除の傾向が強まる一方で、中国国内では当局のより強い監視下に置かれようとしている。
グローバルな市場経済と結び付く中で高い成長を維持してきた中国の経済モデルは、「中国排除」の動きに対抗して国内の締め付けを強めようとする共産党独裁の政治体制との矛盾の中で重大な岐路にあるようだ。
共産党の統治がこれまで揺らぐことはなかったのは経済成長が維持されてきたことが大きいが、指導部は体制を守るために経済にブレーキをかけることになるのだろうか。場合によっては指導部内での路線闘争となり得る。
中国はどのような選択をしていくのか、世界に与える影響は大きい。