都市部住民は
1世帯平均で1.5軒を保有

 前述の調査によると、都市部住民が1軒を保有する割合は58.4%、2軒を保有する割合は31%、3軒を保有する割合は10.5%で、1世帯平均で1.5軒を保有していることがわかった。中国人は不動産に異常に熱を上げる、というのは日本でもよく知られていることだが、日本人には(一部の富裕層を除いて)「2軒以上の不動産を持ちたい」という考えはあまりない発想だ。

 たいていの日本人にとって、不動産=自分の住居であり、財産ではあるが、実用的な意味合いのほうが大きい。日本人にとって、不動産は一生に一度か二度の最も大きな買い物であり、あくまでも自分が住むためのもの、という認識ではないだろうか。

 だが、中国人にとっての不動産はそうではない。自分の住居や財産であるというだけでなく、「投資の対象」であり、自分の財産をさらに大きく増やしてくれる財テクの道具、さらに、人生のステップアップに欠かせない「踏み台」ともいえるほど特別な存在で、日本人とは認識が異なるのだ。

 だから、多くの中国人は不動産購入に目の色を変えて夢中になるし、自分が住む住居を購入しても、それで終わりではなく、2軒目、3軒目と別の不動産も購入しようとする。

不動産こそが最高の錬金術
価格は19年で約5倍に

 上海に住む友人の男性も「一般的な中国人なら、もし毎月3000元(約4万5000円)くらいでも生活費に余裕があるなら、そのまま放っておいたりしませんよ。もしすでに1軒不動産を持っている人なら、きっと2軒目も買うことを検討しているはずです」と話していた。

 近年は「不動産は(高すぎるので)買わない(買えない)」という若者がかなり増えてきているのも事実だが、30代以上の人ならば、「不動産を買うのが当然」だと前述の男性はいう。前述の女性も10年以上前に、日本円に換算して3000万円ほどの物件をローンで購入していたが、現在なら、その価値は「少なくとも5倍になっていると思う」と言う。そして、「今、もう1軒買っておけば、さらに値段が上がって、大儲(もう)けできる」と目を輝かせる。

「不動産こそが最高の錬金術なのだ」という感じだが、彼らが驚くほどの値段で不動産を転売できる背景には、2000年代、中国が年率10%以上の経済成長を果たし、その後も比較的高い経済成長を維持してきたこと、そして、政府の政策もあり、不動産価格も一時期を除いて、ほぼ右肩上がりで上昇してきたことがある。