トリプルブルー(民主党によるホワイトハウス&上下院支配)の政治が始まるとの期待をよりどころに、年明け早々に1%を上回った米国10年債利回りだったが、その後も上がり続け、一時1.2%付近まで上昇している。

 バイデン新米大統領は2兆ドルに近い規模の景気刺激策を発表したが、財政拡張への思惑が長期金利の上昇要因となっている。米国債市場の長短スプレッドは大きく拡大している。

 つまり、利上げ期待はさほど高まっていないといえるが、長短スプレッドの拡大に伴い、10年債のローリング効果も高まってきた。

 ローリング効果とは、債券が償還に近づくにつれて利回りが低くなり、その結果、価格が上昇する効果のことを指すが、ローリング効果も加味した米国10年債の利回り(ローリングイールド)は、わが国の20年債の利回りを一気に上抜いてしまった。