お客さまが身構える4つの心理パターン
前回は、お客さまに会うまでのノウハウを紹介してきました。しかし、営業の本番はここから。得たチャンスを、いかに契約に結びつけるか。それにはまず、お客さまの警戒心を解きほぐす必要があります。
見ず知らずの人に声をかけられたら、誰でもその人に対して警戒心を抱くでしょう。まして相手が何かを売ろうとしている、つまり自分にお金を払わせようとしている営業マンだった場合には、よりいっそう身構えるはずです。
お客さまの“身構える”心理には、4つの基本パターンがあります。1つは「騙されるのではないか」、2つ目は「押しつけられるのではないか」、3つ目は「時間がもったいない」、そして4つ目は「うるさい」です。
逆にいえは、営業マンはお客さまのこの4つの心理を解きほぐしていかなければならないわけです。
いずれにも共通しているのは、お客さまが"受け身"であるということです。これは、けっして居心地のいい状況ではありません。よく「話すのが苦手」という人がいますが、実は人の話を聞き続けることのほうがもっと苦痛なのです。しかも、それが自分に実害をもたらしかねない話だったとしたら、なおさらでしょう。
基本的に、人は受け身にはなりたくないものです。モノを買うにしても、人に勧められてではなく、自分の意思で買ったのだと思いたい。時間にしても、相手に拘束されるのではなく、相手のために“つくってやった”と思いたいのです。
そういう意識が膨らむと、人は相手に対して親近感を抱きます。逆に、こう思えなければ、相手に疑いを持つようになります。それが警戒心につながり、やがて無気力・無関心になっていきます。