経済的に自立して早期リタイアを果たす「FIRE」を目指し、
株式投資を始める個人投資家が増えている。
その多くの投資対象は日本株だが、じつは米国株こそFIREへの近道だ。
米国株は日本株より手堅い。
某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、
2020年に資産1億円達成を計画。
計画を前倒しで2019年に目標達成、51歳で早期リタイアを実現した。
初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、
早期リタイアの大きな原動力となった米国株の投資術を全公開。
これまでの投資歴や投資銘柄、今さら聞けない米国株投資の基礎の基礎から、
年代や目的別の具体的な投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、
“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に役立つ情報を徹底指南する。

株式投資 日本Photo: Adobe Stock

ニューヨーク・ダウは
リーマンショック前の2倍以上

2008年のリーマンショックでは、前年10月に1万4000ドルだったニューヨーク・ダウは、2009年3月には7000ドルを割り込んで半分以下になりました。

投資の神様ウォーレン・バフェット氏が「アメリカ経済は2009年を通して大混乱に見舞われるだろう」と発言したことも影響したとされています。

その4年後の2013年3月には1万4000ドルを超えて、リーマンショック直前の水準まで回復しました。

現在のニューヨーク・ダウは、リーマンショック前の2倍以上になっています。

米国市場に比べると、日本市場の回復力は決して強いとはいえません。

その事例としてよく取り上げられるのが、バブル崩壊後の回復力の弱さです。

1989年12月末、日経平均株価は終値で3万8915円という史上最高値をつけました。

1990年の年始から株価は下落し始め、1991年のバブル崩壊から2010年頃まで日本は経済低迷が続きます。

いわゆる「失われた20年」です。

この間、2003年4月には日経平均は20年ぶりに8000円を割り込み、バブル崩壊後の最安値7607円を記録。

リーマンショックでは2008年10月、一時6994円まで下落します。

2013年からの「アベノミクス」で株価は上昇に転じて、2018年10月には27年ぶりの高値となる2万4448円まで回復。

その後は一進一退ですが、バブル崩壊から30年経っても日経平均は史上最高値を更新できていないどころか、一度たりとも3万円の大台すら超えておらず、完全復活していないのです。

未来を予測することは誰にもできませんが、暴落しても異次元の回復力を見せてきた米国株のほうが、回復力が弱い日本株よりも中長期投資の対象として適しているでしょう。