変化に対して悲観的すぎても楽観的すぎてもいけない。自分はどう生きたいのか、私たちはどんな選択をするべきなのか。要約者は「本質を見失ってはいけない」と、著者に優しく諭された気がした。世界は私たちの行動次第でもっとよくなる。そんなふうに、自分軸で生きていく勇気をくれる一冊である。(金井美穂)

本書の要点

(1)新型コロナウイルスの感染拡大がトリガーとなって、社会のさまざまな問題が表面化している。こうした大きな変化のときこそ、パラダイムシフトのチャンスであり、本質的な「問い」を考える好機である。
(2)同時に、自分の思考パターンに意識を向け、どのような認知バイアスが働いているかを自覚することが重要となる。
(3)コロナ危機によってパラダイムが大転換を迎えようとしているいま、働く意味、教育のあり方、そして自分の生き方を問い直すことが必要だ。

要約本文

◆パラダイムシフトのチャンスの到来
◇本質的な「問い」を探求する

 新型コロナウイルスがパンデミックを引き起こし、世界が一斉に急ブレーキを踏んだ。グローバルサプライチェーンが分断され、多くの人が「世界の問題」は「自分の問題」だと気づいたのではないだろうか。

 人類にとって命の危機となる脅威がトリガーとなって、さまざまな社会の問題をあぶり出している。かつてエイズが流行したとき、同性愛者への潜在的な「差別」が表面化した。同じように今回のコロナの流行では、都市部の人口一極集中など、数々の問題が明るみに出た。

 問題は、オフィス通勤ができなくなるといった表面的変化ではない。重要なのは、そのような変化が生じている本質的な意味を問うことだ。世界を動かしている構造とシステム、そしてバランスに目を向ける。そのうえで、社会問題の解決に向けて企業はどうあるべきか、私たちはどのような生き方を選択すべきかについて、真剣に考えなければならない。世の中が大きく動いているいまが、古いパラダイムを変えるチャンスなのだ。

 本書ではパラダイムシフトにおける本質的な「問い」を探求する。そこで重要なのが次の4つのステップである。