小売り・外食の業績は二極化、鍵を握るのは「経営者」【緊急分析・コロナ直撃4業種】ユニクロは、あらゆる人の生活を、より良くより豊かにするための服として「LifeWear」のコンセプトをグローバルで打ち出している

新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広まったことで大きな影響を受けた業界がある。小売り、外食だ。これらの業界が直面する現在の状況と今後の展望について分析した。(ダイヤモンド・セレクト「息子・娘を入れたい会社2021」編集部)

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2021」の掲載記事を転載したものです(加筆修正あり)。

【小売り】
赤字の百貨店、黒字の専門店
構造転換への対応で明暗

 小売り業界は、コロナ禍の明暗がくっきり分かれた。次ページの表で示したように、三越伊勢丹ホールディングス(HD)など大手百貨店が赤字に陥る一方、ファーストリテイリングやニトリHDなどの専門店は黒字を確保した。

 小売り・外食業に特化したコンサルティングファーム、ヒドゥンジェムズの朝永久見雄パートナーは、「食品スーパーやホームセンター、家電量販店など利益が2倍、3倍になった企業がある一方で、減益どころか大幅な赤字になる企業もあった」とコロナ禍の決算の特徴を解説する。

 東京商工リサーチの調査によれば、20年11月5日時点の新型コロナ関連破綻件数は666件(負債1000万円以上)に上る。その中で大きな割合を占めているのは飲食業(113件)、アパレル関連(67件)、宿泊業(55件)だ。アパレルでは、経営危機から再建途上だったレナウンが5月に経営破綻している。従来傾いていたところにコロナがとどめを刺したといえるだろう。